厚生長官として指名されたロバート・ケネディ・ジュニア氏の側近の弁護士は米保健福祉省の幹部の人選にも関わっている=ロイター

【ニューヨーク=吉田圭織】トランプ次期米大統領が厚生長官として指名したロバート・ケネディ・ジュニア氏の側近の弁護士が米食品医薬品局(FDA)に対してポリオ(小児まひ)ワクチンの承認取り消しの申し立てをしていたことが明らかになった。米メディアが13日、相次いで報じた。

弁護士のアロン・シリ氏はケネディ氏の大統領選キャンペーンの代表役を担っていた。米紙ニューヨーク・タイムズによると、シリ氏はケネディ氏が監督する予定の米保健福祉省の幹部の人選にも関わっている。

シリ氏は2022年8月、安全性の調査が不十分だとして、FDAにポリオワクチンの承認取り消しを求める請願書を提出していた。FDAは承認取り消しの要請についての判断をまだ下していないと答えている。

シリ氏はポリオ以外にもジフテリアや破傷風などを予防できる13種類のワクチンの供給停止を求めるFDAへの請願にも関わっている。

ポリオは非常に感染力が強く、重症化すると身体がまひしたり死に至ったりすることもある。治療はなく、ワクチン接種で予防することしかできない。子どもの感染が多く、感染者の排せつ物に触れるなどして広がる。1994年にアメリカ大陸全体でポリオは根絶した。

【関連記事】

  • ・トランプ次期政権、ワクチンは推奨から「個人の選択」に
  • ・科学軽視のトランプ次期米大統領、米国の国力低下の懸念
  • ・健康オタクが支持 「ケネディ厚生長官」で株価翻弄

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。