ベランダに降り積もる雪=辻加奈子撮影
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 雪が積もってエアコンの利きが悪くなった――。降雪時にエアコンのトラブルが起きたことのある人が2割近くに上ることが、三菱電機の全国調査で明らかになった。一方、エアコンの降雪対策を考えていない人が7割超に上っており、同社は室外機の置き場所の工夫や除雪対策などを呼びかけている。

 調査は11月、沖縄県を除く46都道府県の男女600人(うち300人は北海道、青森県、新潟県など寒冷地在住)にインターネットで実施した。

 降雪時にエアコンのトラブルに見舞われたことが「ある」と答えた人は全体で18・5%に上った。「ない」は72・5%、「覚えていない」は9%だった。寒冷地では20%が「ある」と回答した。

 具体的なトラブルとして最も多かったのは、暖房の利きが悪くなった(61・3%)▽急に暖房運転が止まってしまった(41・4%)▽暖房がつかなかった(15・3%)▽室外機から湯気が出ていた(9・9%)――と続いた。

 一方、今年の冬本番に向けて、「エアコンに関する雪対策を実施しようと思っているか」との問いには「実施しようと思っていない」「どちらかといえば実施しようと思っていない」と答えた人が計73%で大多数を占めた。

 主な理由は、寒冷地では「どのように対策したらいいか分からないから」、その他の地域では「過去に降雪によるトラブルを経験したことがなく、必要性を感じないから」が挙がった。

 三菱電機によると、降雪時のトラブルを避けるためのポイントは室外機にある。室外機のファンが雪で埋まると、正常な運転ができなくなる可能性がある。また、室外機の上や周りに雪が積もって風通しが悪くなったり、溶けた雪が凍って室外機内の熱交換器に張り付いたりすることも運転トラブルにつながる。

 そのため、普段からファンの前や横を空けておくなど、降雪時に雪が積もりやすくならないよう室外機周辺の風通しを良くするのが重要だという。また、積雪が見込まれる寒冷地では、北西からの季節風の影響を受けにくい東側や南側に室外機を置くと効果的とされる。

 室外機の周辺に雪が積もった場合は、エアコンの電源は入れず、まずはシャベルなどで吹き出し口の前を20センチ以上空けるように雪を取り除くことを勧めている。暖房を付けても止まってしまった際は、熱を室外機に回す「霜取り機能」が作動している可能性がある。その場合は「少し時間をおくと通常運転が再開するので、焦らず待ってほしい」(同社)と呼びかけている。【井口彩】

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