三洋化成工業が開発した添加剤を加えると低温でも固まりにくくなる

三洋化成工業は16日、バイオディーゼル燃料が低温下でも固まらずに流れやすくなる添加剤「ネオプルーバー」を開発したと発表した。従来品と比べてより低温下でも効果を発揮する。寒冷地では冬季にバイオ燃料の流れが悪くなり、エンジンの故障を引き起こすおそれがあった。添加剤を加えることでバイオ燃料の使い勝手を改善する。

添加剤の成分は化石燃料由来のポリマー。植物油や廃食油が原料のバイオ燃料は、温度の低下とともに油の成分が結晶化し流動性が低下する。ネオプルーバーを加えると、結晶にポリマーが付着して結晶の成長を防ぐ。

バイオ燃料の流動性は「目詰まり点」が指標となる。添加剤を加えていないバイオ燃料は、目詰まり点がマイナス5度前後だ。添加剤を加えることでマイナス8〜10度まで固まらないようになる。

同社は11月から一部のバイオ燃料メーカー向けに試験販売している。今冬の添加剤の性能を確認したうえで25年冬から本格的に販売する。アジアや欧州でも販売する計画で、28年度には年間300トンほどの販売量を目指す。

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