2024年の訪日外国人はコロナ禍前の2019年を上回り、過去最多を更新するのは確実。訪日客が日本で楽しみにしていることの一つが、「食体験」だという。今や、「すし」「天ぷら」だけでなく、街のおにぎり屋さんに外国人の行列ができ、ご当地ラーメンを食べようと地方に足を延ばす観光客も少なくない。そんな日本食への関心を高めるのに一役買っているのが、世界でも人気の日本のアニメなのだという。

日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)が2023年12月~24年1月にかけてアニメファンサイト内で実施したアンケート調査で、「アニメ作品の中で見て食べてみたいと思い、実際に日本食を食べたことがあるか」を聞いたところ、51%の人が「ある」と回答。

きっかけになった具体的な作品は、忍(しのび)が派手なバトルアクションを繰り広げる「NARUTO ーナルトー」289票と、料理人の父を越えようと修行に励む青年を中心に展開する料理バトル「食戟のソーマ」239票がツートップ。以下、「ユーリ!!! on ICE」「ONE PIECE」「僕のヒーローアカデミア」などがが続いた。

「アニメがきっかけで実際に食べた」というその日本食は、「ラーメン」531票が圧倒的なトップ。ラーメンを食べるシーンはあらゆるアニメ作品に登場するが、最大の功労者は「NARUTO」の主人公うずまきナルトだろう。米国のラーメンチェーンとコラボしたり、海外で開催されたコミックマーケットにNARUTOのラッピングキッチンカーが登場したりと引っ張りだこだ。


3月~7月にかけてNARUTOとコラボした米国のラーメンチェーンSilverlage Ramen。主人公のうずまきナルトの行きつけのラーメン屋「一楽」を再現 ©岸本斉史 スコット / 集英社・テレビ東京・ぴえろ

アニメを見て、今後食べてみたいと興味を持っている日本食としては、「たこ焼き」がトップに。世界的にはタコを食材とする国は少数派で、「デビルフィッシュ(悪魔の魚)」として忌み嫌う人も多いという。そんなタコも食べてみたいと思わせる、アニメの力は恐るべし。

JFOODOの北川浩伸執行役は「『NARUTO』や『ONE PIECE』などのメガコンテンツばかりでなく、さまざまな作品が日本食体験のきっかけになっている。日本が強みを持つ “アニメ×食” の相乗効果でさらに市場を拡大できる」と意欲的だ。 

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