電子情報技術産業協会(JEITA)は19日、半導体や電子部品など電子デバイス分野の世界の市場規模が2025年に初めて1兆ドル(約155兆円)を超す見通しだと発表した。デジタル投資が加速し人工知能(AI)活用の普及が進む。電子機器やIT(情報技術)サービスなどデジタル関連産業の世界市場は24年比8%増の3兆9909億ドルとなる。

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JEITAの津賀一宏会長(パナソニックホールディングス会長)は同日の記者会見で「製造業でのデジタル化が課題だ。現場サイドでのソフト開発には半導体や電子部品がカギとなる」と述べ、地政学リスクが高まる中でのデバイス分野への投資の重要性を訴えた。

記者会見するJEITAの津賀一宏会長(19日、東京都千代田区)

25年の世界の半導体市場はAI向けサーバー需要の高まりを受け11%増の6972億ドルと過去最高を更新する。新型コロナウイルス禍の特需の反動で落ち込んでいた電子部品やディスプレーデバイスの需要が回復し、電子デバイス分野は1兆775億ドルと初の1兆ドル超えとなる。

生成AIを活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)が進み、全体を底上げした。ITサービスは10%増の1兆5778億ドルと過去最高を更新する。ソフトウエアで車両の機能や特徴をアップデートする次世代車「ソフトウエア定義車両(SDV)」向けのソフトウエア開発も追い風となる。

日系企業の25年世界生産額は4%増の42兆8613億円を見込む。AI活用の普及や自動車の電装化が進むことで、電子部品が6%増の11兆2142億円、半導体は11%増の7兆4800億円となる。企業のDX投資の加速によりITサービスも6%増の9兆5528億円とした。

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