リクルートが20日発表した2026年の新卒者の採用に関する調査で、大学生・大学院生の採用が前年に比べて「増える」と答えた企業は13.2%となり、「減る」(5.4%)を上回った。上回るのは4年連続。少子化などを背景にした人手不足から企業の採用意欲は旺盛で、学生優位の「売り手市場」が続いている。
調査は10月1日〜11月7日に実施し、4283社から回答を得た。採用が「増える」から「減る」を差し引いた数値は7.8ポイント。25年卒の10.8ポイントから3.0ポイント下がった。リクルートワークス研究所の中村星斗研究員は「やや鈍化したものの企業は計画通りの採用が進んでおらず、依然として採用意欲は高い」と分析した。
26年卒の採用について全業種で「増える」との回答が「減る」を上回った。上回った数値を業種別にみると、小売業が15.4ポイントで最も高かった。情報通信業は11.2ポイント、機械器具製造業は11.1ポイントだった。
従業員規模別では特に大企業が採用に積極的で、5000人以上の企業では「増える」が「減る」を24.2ポイント上回り、25年卒の18.0ポイントからさらに増加した。一方、1000人未満は5.6ポイント上回ったが、25年卒の9.0ポイントからは減少した。中村研究員は「新卒採用が激化する中で、中途や第二新卒での採用で補う動きが出ている可能性もある」と話した。
25年卒の採用計画数に占める10月時点の内定数の割合を示す「充足率」は76.8%となり、比較可能な14年卒以降で過去最低だった24年卒の74.7%に次ぐ2番目の低さだった。
従業員規模でみると5000人以上は92.9%、1000〜4999人が92.5%、300〜999人が83.1%だった。5000人以上は24年卒に比べ2.6ポイント増でやや改善した。業種別では建設業が55.2%で24年卒比6.1ポイント増えたものの、最も低かった。金融業は92.5%で同19.6ポイント増と大幅に改善した。
25年卒採用に関して実施している施策について聞いたところ、「労働時間・教育研修、離職率などの人事情報の開示」が69.4%、「現場社員の面接や学生フォローへの協力」が66.9%だった。各施策について建設業や製造業では実施割合が高い傾向が見られたが、サービス・情報業は比較的低かった。
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