日本製鉄は20日、米鉄鋼大手USスチールの買収計画に反対している全米鉄鋼労働組合(USW)のデービッド・マッコール会長について「失望している」との声明を出した。現地時間19日、日鉄との協議に出席していたマッコール会長が、協議の最中にもかかわらずUSWのウェブサイト上に「協議は進展なし」とのタイトルの声明を出したことを非難した。
日鉄は声明で「マッコール会長はまだ協議の場にいるにもかかわらず、この協議を非難する声明を発表したことに失望している」とした。マッコール氏らの反対により、「USスチールに対する必要な投資と技術革新ができなくなるリスクにさらされている」と主張した。
日鉄とUSWによると、両者やUSスチールの製鉄所があるペンシルベニア州とインディアナ州の4市長が参加する協議が今週に入り複数回開かれた。マッコール会長は協議が行われている時間に、ウェブサイト上の声明で「日鉄は買収に関する問題に有意義に対処する意図がないことを協議中に明らかにした」などと従来通りの主張を繰り返し、今後も買収計画に反対を続けると発表した。
協議に参加していた4市長のうち3市長も連名で「USW執行部は地域や従業員を守る義務がある。駆け引きをしている場合ではない。USWの行動は最低だ」と声明を出した。市長らは日鉄の買収に関してUSWが掲げる懸念点に対処するための協約を結ぶように日鉄とUSWに求めた。これを拒否したUSWに代替案を求めたところマッコール氏は「何が起こるかみてみよう」とのみ応じたという。
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