スターリンクと直接通信するスマホの画面(10月、沖縄県での実証実験)

KDDIは2025年3月にも、スマートフォンと米スペースXの衛星通信網「スターリンク」を直接通信できるサービスを始める。地上の基地局がカバーしていない海上や山間部での需要を見込む。大規模災害で基地局が壊れた際も通信環境を維持できるようにする。

10月の実証実験時は24年内に商用化する目標だった。だが、現時点で対応するスマホが数機種にとどまり、通信品質の確認にも時間がかかるため、開始時期を延期した。対応機種の増加に向けて、米アップルなどにソフトウエアの更新を求めていく。

サービスではまず文章データを送受信できるようにする。音声通話や動画データのやり取りへの対応も予定する。料金体系は無料を含めて今後詰める。

スターリンクは通常より低い軌道を飛ぶ衛星網で、基地局がなくても通信できる点が特徴。現状は専用アンテナが必要だが、スマホと直接通信できれば利用の裾野は広がる。通信規格の4Gは日本の国土の約4割をカバーしておらず、こうした空白地帯を埋められる。

空から通信手段を確保しようとする取り組みは広がっている。楽天モバイルは米国の衛星スタートアップと組んで直接通信サービスを26年に始める。NTTドコモは無人航空機を飛ばして地上と通信する「空飛ぶ基地局(HAPS)」を26年に商用化する。

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