電気自動車(EV)や生成AI(人工知能)の台頭などイノベーション(技術革新)が急速に進むなか、M&A(合併・買収)を含めた企業の成長戦略が改めて問われています。日経電子版の看板コラム「記者の目」は、財務や経営戦略など様々な切り口から企業の課題を深掘りします。2024年1月以降、反響の大きかった記事を振り返りました。

ルネサス、逆風下の9000億円買収 真面目さが磨く稼ぐ力

約9000億円を投じ、ソフトウエアメーカーの米アルティウム買収を決めたルネサスエレクトロニクス。主力の車載や産業機器向けの半導体は市況が低迷するものの、過剰な在庫を抱えない巧みな経営で、買収に踏み切れる収益体質を実現しています。

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SUBARU、日本代表の覚悟あるか 北米快走も踊らぬ株価

業績が拡大するSUBARU(スバル)。米国で電気自動車(EV)需要が減速するなか、主力のガソリン車の販売が好調で、円安も追い風です。一方、市場はガソリン車の「次」を見据えた成長戦略を催促しているようです。

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住友化学、先達の呪縛が招く大赤字 資本コスト機能せず

住友化学の業績が悪化しています。巨額の資金を投じて拡大路線に走ってきた石油化学と医薬品の不振が主因です。いずれの事業も、資産を使った稼ぐ力を示す総資産利益率(ROA)の低迷が続きます。先達の経営陣が敷いた路線に縛られ続け、抜本的な見直しに踏み切れていません。

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ヒューリック、金利ある世界の重圧 戦略転換に2兆円

ヒューリックが、不動産の売買から賃貸に稼ぎの軸足を移す構造改革を急いでいます。金利に上昇圧力がかかるなか、不動産を安く仕入れ高く売ることが難しく、利ざやを確保しにくくなるためです。一方で、賃貸不動産を抱えると資産効率を損ないかねないリスクもはらみます。同社の経営戦略に注目が集まります。

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ソニーG、「見えない4兆円」のすごみ エンタメ世界首位へ

ソニーグループがエンタメで稼げる高収益企業へと変貌しました。背景にあるのが、製造設備など有形固定資産に比べ利益を効率的に生みやすい無形資産の増加です。IP(知的財産)やコンテンツ制作、M&A(合併・買収)の投資拡大を通して積み上げた無形資産は約4兆円と、10年で倍増。エンタメで世界首位を狙える潜在力を秘めています。

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住友重機械、秘めた実力1兆円 逆転の切り札は半導体

住友重機械工業が、祖業の1つから撤退を決めるなど事業の再構築を進めています。変速機や建設機械など事業の裾野を広げるなか、複合経営ゆえに企業価値が割り引かれる「コングロマリット・ディスカウント」に直面しています。世界市場でも有数のシェアを持つ半導体製造装置の成長が、企業価値の伸びを左右しそうです。

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コニカミノルタに迫る「ゾンビ企業化」 負債活用裏目に

コニカミノルタに利益で支払利息をまかなえない「ゾンビ化」懸念が出ています。有利子負債が10年で2倍を超える水準に膨らむ一方、稼ぐ力は下がっています。金利に上昇圧力がかかるなか、負債返済と再成長に充てる資金の捻出には、人員削減だけでない追加の構造改革策が迫られています。

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