米食品スーパー店頭に並ぶ米タイソン・フーズの加工食品=ロイター

【ニューヨーク=西邨紘子】米食肉大手タイソン・フーズが6日発表した2024年1~3月期決算は最終損益が1億4500万ドル(約223億円)の黒字に転じた。前年同期は9700万ドルの赤字だった。鶏肉の供給減や消費者の買い控えで売上高は130億7200万ドルとほぼ横ばいにとどまったが、拠点閉鎖などコスト削減の取り組みを進めて採算は改善した。

特殊要因調整後の1株利益は0.62ドル。前年同期(1株当たり0.04ドルの赤字)と市場の予想(1株利益0.39ドル)をともに上回った。

事業別の売上高は鶏肉が40億6500万ドルで8%減少した。不採算工場の閉鎖など供給調整を進めてきたところに鳥インフル流行の影響も重なり、販売が減った。牛肉は49億5400万ドルで7%増収。値上げが売上高を押し上げた。豚肉は5%増の14億8600万ドルだった。需要が好調で販売量が伸びた。

鶏肉事業でコスト削減を進め、同事業の営業損益は1億5800万ドルの黒字(前年同期は2億5800万ドルの赤字)となり、全体の収益改善に貢献した。

加工食品を含む「調理済み食品」部門の売上高は前年同期比約1%減の24億400万ドルだった。消費者の買い控えが重荷となった。同事業を統括するメラニー・ボールデン社長は「低所得層を中心に、消費者の価格敏感度が増している」と指摘した。

タイソンが発表した24年9月通期の業績見通しは、売上高では前期比横ばいとした前回予想を据え置いた。一方、営業利益(特殊要因調整後)の予想は従来の10億〜15億ドルから14億〜18億ドルに引き上げた。

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