香港投資ファンドのオアシス・マネジメントは8日、北越コーポレーションの株主総会で岸本晢夫社長の解任などを求める提案をするとした声明を公表した。北越コーポの株主に対し、オアシスの株主提案に賛成票を投じるよう求めている。
オアシスは北越コーポ株の約18%を所有する第2位の株主になる。声明では岸本社長の長年の経営支配や独立社外取締役によるけん制機能の喪失を理由として、北越コーポが「本来の企業価値を実現できていない」と指摘した。「岸本氏の影響力を排除することが北越の企業価値を向上させるための第一歩」と主張した。
岸本社長の解任に加え、現任の4人の社外取締役の解任も求めている。オアシスが推薦する弁護士のウェンディ・シバ氏など、5人の独立社外取締役候補を選ぶよう提案する意向も示した。社外取締役の新たな報酬制度の導入も盛り込んでいる。
提案がステークホルダー(利害関係者)の利益につながるとして、北越コーポの株主に対しては株主総会でオアシスの株主提案に賛成票を投じるよう要請した。
オアシスはこれまでにも大王製紙株売却を含めた資本効率の改善などを北越コーポに求めてきた。2023年の株主総会の開催前にも、他の株主に岸本社長の再任案に反対票を投じるよう呼びかけていた。
北越コーポは4月、オアシスから取締役の選任などに関する株主提案の文書を受領したと発表していた。北越コーポは声明について「内容を精査した上で、後日取締役会の意見とともに開示する」としている。
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