LINEアプリの利用者情報などが流出した問題で、運営するLINEヤフーの出沢剛社長は8日、大株主の韓国IT大手ネイバー側への「システムやサービス開発の委託などをゼロにする」と明言した。大株主ネイバーによる支配を弱めるため資本の見直しも「強く要請している」とし、事業と資本の両面でネイバーと距離を置く姿勢を強調した。
同日の決算会見で明かした。サービス開発や社内システムにおけるネイバー側への業務委託契約を今年度中に終了する方針。子会社も含めて26年までに縮小や終了するとしていた計画も「前倒しを検討している」と明かした。業務の内製化や別の委託先探しを急ぐ方針で、約150億円の費用を見込む。出沢社長は「ネイバーとの関係は事業面で非常に薄くなる」と述べた。
同社は、ネットワークでつながるネイバー子会社を経由した不正アクセスで、LINEアプリの利用者情報などが大量に流出した問題で、総務省から2度の行政指導を受けた。総務省はLINEヤフーが大株主のネイバーとの支配関係から、業務委託先のネイバー子会社を監督しきれなかったことが安全管理を損ねたとみて、資本関係の見直しも検討するよう求めていた。
同社は3人いた代表取締役のうち「LINEの生みの親」とも言われる慎ジュンホ氏の6月の退任も発表した。出沢氏とヤフー出身の川辺健太郎会長の2人が代表権を持つ体制に移行する。慎氏はチーフプロダクトオフィサーとして引き続き事業に関わる。(村井七緒子)
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