血液検査機器大手のシスメックスが9日発表した2024年3月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前の期比8%増の496億円だった。3期連続で過去最高益を更新した。国内外で血液検査などの需要が高く、試薬や機器の販売が伸びた。同社は海外売上高が約9割を占めており、円安の進行も利益を押し上げた。
売上高は12%増の4615億円だった。中国や東南アジアで検査需要が好調だったのに加え、川崎重工業と共同出資するメディカロイド(神戸市)の国産手術支援ロボット「ヒノトリ」は国内で20台を販売した。
25年3月期の売上高は前期比11%増の5100億円、純利益は11%増の550億円を見込む。検査需要の好調が続く。欧米では血液凝固の検査試薬の直販を始めて原価率の改善をにらむ。通期の想定為替レートは1ドル=147円(前期実績は144.6円)とした。
ヒノトリは今期、国内で40台、海外ではシンガポールを中心にアジアで5台程度販売する計画を掲げる。浅野薫社長は同日の記者会見で「ヒノトリの販売計画は当初目標より多少遅れていたが、23年7月に発売したバージョンアップモデルが非常に好評だ。今後は利益獲得フェーズに入りたい」と話した。
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