電子部品大手アルプスアルパインは9日、海外を中心に2024年度に3千人超を削減すると明らかにした。同社がこの日発表した24年3月期決算は、298億円の純損失(前年は114億円の黒字)を計上した。スマートフォン市況の悪化で部品の販売が振るわず、自動車向けの新製品の量産立ち上げも遅れた。

 この日の決算会見で泉英男社長は「(現在の)経営計画を中止してでも、身をたださなければならない。不退転の気持ちで脱しなければならない業績結果だ」と述べた。

 人員削減は主に海外の製造部門に所属する社員1千人超と派遣や請負の2千人が対象。3カ所の生産拠点を閉鎖や縮小によって集約する。

 同社は経営立て直しのため、事業の構造改革を進める。不採算となっていたエアバッグ関連とタッチパネルフィルムの事業から撤退するなどし、収益改善を図る。物流の関連会社を米投資ファンド傘下のロジスティード(旧日立物流)に売却するとも発表した。ロジスティード側が株式の公開買い付け(TOB)を実施し、80%を取得する。(田中奏子)

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