2024年度中に安全確保や規制に関する考え方を取りまとめる(10日、東京都千代田区)

内閣府は10日、核融合発電の新たな技術実証や産業化に備えて安全確保や規制のあり方を議論する専門家会議の初会合を開いた。米国や英国など海外の状況を参考にしながら核融合の原理、装置に関する特徴なども科学的に分析した上で、2024年度中に基本的な考え方を取りまとめる。

専門家会議は産業界のほか、核融合に用いる原理や燃料、放射線やエネルギー政策などの専門家ら13人が加わる。会合の議論のほか、一般からの意見公募も踏まえて核融合の安全確保に関する方針を示す。

主査に就いた調査会社マトリクスK(東京・港)の近藤寛子代表は「核融合の規制の策定や標準化は海外で議論が先行しており、同様の措置が日本でも急務だ」と挨拶した。

核融合発電は太陽の内部で起きるのと同じ反応を応用し、原子の核同士をくっつける時に出る大きなエネルギーで発電する。原子核の分裂反応を用いる一般的な原子力発電とは原理が異なる。

政府は日本の核融合発電の実証開始時期を30年代とする方針だ。実用化に向けた新たな炉の設計や産業化には核融合の特徴を踏まえた安全規制の検討が必要だとして議論を始めた。

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