帝国ホテルは10日、2025年3月期の連結純利益が前期比73%減の9億円になる見通しだと発表した。宿泊や宴会需要は好調に推移するものの、運営する「帝国ホテル東京」(東京・千代田)のタワー館閉業でオフィス賃貸料が減少する。人件費や原材料の高止まりの影響を受ける。都内で進める再開発に向けた準備で経費がかさむ。
売上高は3%減の520億円、営業利益は79%減の6億円の見通し。年間配当は1株6円を予定する。23年10月の株式分割を考慮すると、実質前期据え置きとなる。
同日、東京・内幸町での再開発計画で閉業が決まっている帝国ホテル東京タワー館について、解体工事着工までは暫定的に客室の一部と宴会場の営業を続けると発表した。これまでは6月末で営業を終了するとしていた。
同日発表した24年3月期の連結決算は売上高が前の期比22%増の533億円、営業利益は8.2倍の28億円だった。インバウンド(訪日外国人)の宿泊や大型宴会の受託などが好調で帝国ホテル東京の平均客室単価(ADR)は6万3058円と過去最高だった。今井徹取締役は「円安で訪日需要は高くADRは今後も伸びる」と述べた。
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