訪日客の増加に加え、沿線再開発による輸送需要増を見込む

京阪ホールディングス(HD)は10日、2025年3月期の連結純利益が前期比2%増の255億円と2期連続の最高益となる見通しだと発表した。新型コロナウイルスの影響が薄れる中、沿線で手がける再開発プロジェクトの竣工も追い風に、鉄道事業やホテル事業が上向く。

営業利益は5%増の355億円、経常利益は3%増の340億円と、いずれも最高益となる見通し。インバウンド(訪日客)需要のほか、枚方市駅(大阪府枚方市)や中之島駅(大阪市)周辺の再開発案件が相次いで開業し、旅客人員と旅客収入はいずれも前期比1%増を見込む。旅客収入は4期連続で増える一方、「生活スタイルの変容もあり、コロナ禍前からの回復は一服した」(松下靖常務取締役)とみる。

不動産事業ではマンション分譲の供給が一時的に落ち込む一方、用地売却が利益を押し上げる。ホテルを含むレジャー・サービス業は訪日客の回復が寄与し、「京都駅周辺のホテルでは宿泊客の4割を占める」(松下常務)という。

同日発表した24年3月期の連結決算は、売上高が前の期比16%増の3021億円、純利益が41%増の248億円だった。旅客回復に加え、バリアフリー料金の導入で旅客収入が上向いた。23年3月開業の「ホテル京阪なんばグランデ」の稼働が寄与し、レジャー・サービス業のセグメント損益が黒字に転じた。

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