日本ガス協会の内田高史会長(東京ガス会長)は12日までにインタビューに応じ、都市ガスの脱炭素化のため水素と二酸化炭素(CO2)から作る合成メタンが不可欠との考えを示した。普及には国のさらなる支援を求め、移行期では現在主原料の液化天然ガス(LNG)の活用も訴えた。

合成メタンは燃焼した際にCO2を発生させるが、製造時に回収した分と相殺され、脱炭素に有効とされる。LNGと主成分が同じで、ガス管など既存インフラをそのまま使える。業界は合成メタンへの移行を進めている。内田氏は「導入当初の価格は高くなる」と指摘。既存燃料との価格差を埋める政府支援の具体化を求めた。

合成メタン普及には課題も残されている。内田氏は移行期でのLNGの重要性も強調。ウクライナ危機に伴う世界的なLNG争奪戦を念頭に「柔軟に、安く、必要なときに買えるよう国の支援が必要だ」と語り、政府が2024年度の改定を目指すエネルギー基本計画で「移行期間は天然ガスが必要であると示してほしい」と述べた。

インタビューに答える日本ガス協会の内田高史会長=7日、東京都港区

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