パンパシHDの24年6月期の純利益は過去最高になる

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスは13日、2024年6月期の連結純利益が前期比21%増の800億円になる見通しだと発表した。14期連続で最高益を更新する従来予想を35億円上回る。インバウンド(訪日外国人)による消費が旺盛で、ディスカウント店「ドン・キホーテ」などで免税品販売が伸びる。

「インバウンドは『棚からぼた餅』ではない。積極的に商機を取り込んでいく」。同日の会見で吉田直樹社長は強調した。売上高は8%増の2兆860億円、営業利益は28%増の1350億円を見込む。それぞれ160億円、50億円上方修正した。免税品売上高は3倍の1100億円の見通し。25年6月期までの中期経営計画で掲げる売上高2兆円、営業利益1200億円を1年前倒しして達成する。

けん引するのはドン・キホーテなどディスカウント事業だ。韓国や台湾、東南アジア、米国からの観光客が増え、化粧品や酒、菓子類などの販売が好調だ。通期の事業別の利益見通しは非開示だが、23年7月〜24年3月期まで9カ月間の営業利益は657億円と55%増えた。好採算のプライベートブランド(PB)商品の売上高比率が18.8%と1.9ポイント高まったことも寄与した。

総合スーパー(GMS)事業も上向いている。店舗スタッフにコスト管理を任せるドン・キホーテ流の手法を移植するなどで効率化を進めた。9カ月間の事業の利益は272億円と32%増え、売上高営業利益率は7.8%と1.9ポイント上昇した。

海外はアジア事業が79%減益、北米事業が31%減益だった。アジアは外食需要の高まりや物価高による買い控えなどが響いた。北米は新規出店に伴う投資が先行する。

今期配当は1円増の年21円で従来計画を変えていない。配当性向は16%と国内上場企業平均の約3割に見劣りしており、どこまで株主還元を強めるかが焦点になる。

同日発表した23年7月〜24年3月期の連結決算は、売上高が前年同期比8%増の1兆5673億円、純利益は40%増の720億円だった。免税品の売上高は813億円で、新型コロナウイルス禍前の19年6月期(684億円)を2割上回った。

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