ワタミの渡辺美樹会長兼社長は円安を受けて海外展開を進める方針を強調した(13日午後、東京都千代田区)

ワタミが13日発表した2024年3月期の連結決算は純利益が前の期の2.5倍の41億円だった。宅配弁当などの宅食事業が在宅需要の減少で低迷したものの、新型コロナウイルス禍からの経済再開に伴い「ミライザカ」や「鳥メロ」などの居酒屋業態が回復した。

売上高は6%増の823億円、営業利益は2.5倍の37億円だった。居酒屋や焼き肉チェーンなどの国内外食事業が黒字転換し業績拡大をけん引した。香港などで展開する海外事業も売上高が伸び赤字幅が縮小した。一方、宅食事業は新型コロナウイルス療養者向けの販売が減少し、同セグメントの利益は3割減だった。

同日の決算会見で渡辺美樹会長兼社長は「円安が進む中で、海外事業を強化していくしかない」と述べ、買収したシンガポールで外食向けの食品加工を手掛けるリーダー・フードなどを通じて海外展開を加速させる考えを示した。

25年3月期の連結業績予想は中東やウクライナ紛争などの先行きの不透明感などを理由に「現段階において合理的に算定することが困難」として開示を見送った。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。