米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は14日、「金融政策が役割を果たすのを辛抱強く待つ必要がある」と述べ、物価上昇(インフレ)抑制のため23年ぶりの高水準に引き上げた政策金利について、当面維持する必要があるとの考えを示した。市場の一部で観測が出ている追加利上げの可能性は改めて否定した。
オランダ・アムステルダムで開かれた金融関係のイベントに出席したパウエル氏は、1~3月の米インフレ率について「想定以上に強かった。平たんな道とは思っていなかったが、誰も予想しないほど高い数字だった」と強調。2022年3月から23年7月にかけて5・25~5・5%まで引き上げた政策金利が、根強いインフレを更に鈍化させるのを待つべきだと指摘した。
ただ、移民流入による労働人口の増加でインフレ圧力となっていた人手不足が緩和に向かうなど、全体的に米経済は良い方向に向かっているとの認識を表明。「次の動きが利上げになる可能性は低い」と改めて明言し、インフレ率などの経済指標を精査しながら利下げ時期を探る従来の姿勢を続ける意向を示した。【ワシントン大久保渉】
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