旭酒造(山口県岩国市)は来年4月に開幕する大阪・関西万博に向け、日本酒「獺祭(だっさい)」の特別品をオーストリアとコラボして製造する。同国のパビリオンで販売する。

 「コラボ獺祭」の醸造は今年11~12月ごろ始める。オーストリアのアンサンブルグループのメンバーと日本センチュリー交響楽団がそれぞれ演奏したヨハン・シュトラウス2世の「入り江のワルツ」を、獺祭の発酵中に流すという。

 日本酒に音楽を聴かせる効果のほどは不明だが、旭酒造の広報は「今回のコラボが獺祭にどのような影響を与えてくれるのか楽しみにしている」と話した。

 オーストリア連邦産業院のハラルド・マーラー総裁は4月、村岡嗣政知事と県庁で面談した際、「パビリオンで山口デーを設けたい。その時は獺祭で乾杯したい」と述べた。

 クラシック音楽で有名なオーストリアは、「未来を作曲」をテーマにしたパビリオンを出展予定。旭酒造によると昨年7月、産業院から在日オーストリア大使館経由でコラボの提案を受けたという。

 同社の桜井一宏社長は「お互いの文化に対する理解を深めることに私たちの酒蔵が協力できるのは光栄。喜んで提案を受け入れさせて頂いた」とコメントした。生産量や価格は未定で、パビリオンの他、百貨店などでも販売する。(山野拓郎)

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