旭化成は15日、カナダで2027年の稼働を予定する電気自動車(EV)の電池向け主要部材の工場について東部オンタリオ州南部に建設すると発表した。米国との国境に近く、両国にある電池メーカーなどに供給する。現地での原材料調達を検討している。
供給先でもあるホンダと共同出資会社を設立し、同州南部のポートコルボーン市に建設する。リチウムイオン電池の主要4部材の一つである「セパレーター(絶縁材)」を生産する。総投資額は1800億円で、カナダ政府や州政府の補助金を活用することで旭化成の出資額を半分以下に抑える方針だ。
カナダの現地時間14日に同市で開かれた記者会見で、工藤幸四郎社長は「北米でのセパレーターの原材料調達に向け、自社の技術を調達先に提供することも考えている」と話した。原材料は現在日本で自社製造しているが、現地調達による効率化も視野に入れる。
工場の生産能力は塗工膜換算でEV100万台分にあたる約7億平方メートル。旭化成は、新工場で生産するタイプのセパレーターの31年度の売上高を22年度に比べて約5倍の1600億円に伸ばす。
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