フジテックの原田政佳社長は「今後も株主との対話は重視する」と述べた(15日、東京都港区)

エレベーター大手のフジテックは15日、2029年3月期を最終年とする中期経営計画に関する記者会見を開いた。部品共通化で製造コストの見直しを進めるほか、遠隔監視など新たなサービスにも力を入れ、29年3月期の営業利益を24年3月期の3倍の440億円に引き上げる。原田政佳社長は「品質を重視しながらも、企業価値向上に向けて注力していきたい」と意気込みを語った。

東南アジアやインドで新たなビルの建設が活発なことから、売上高は29年3月期に同42%増の3250億円を見込む。

今後、株主還元と成長投資の両輪での改革も進める。同社株を19.9%保有する香港の投資ファンドのオアシス・マネジメントは22年、フジテックと創業家が不適切な取引をしたと主張し、創業家出身の内山高一前会長と経営権を巡って争った。

25年3月期の配当性向は8割超を見込み、日本企業の平均とされる3〜4割よりも高い。原田社長は「(オアシスからの外圧により)配当性向を設定したわけではない。株主との対話は引き続き重視していく」と述べた。成長投資の一環として、中期経営計画の期間中にM&A(合併・買収)などに約400億円を投じる計画だ。

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