記者発表会で握手するエターナルホスピタリティグループの大倉忠司社長(右)とハチベイクルーの八島且典社長(15日、東京都港区)

エターナルホスピタリティグループ(旧鳥貴族ホールディングス)は15日、福岡と大阪を地盤とする中小の焼鳥店運営会社2社と協業に向けて基本合意したと発表した。エターナルは1日に海外展開強化に向け社名を変更したばかり。低価格が強みの主力業態「鳥貴族」に、中・高価格帯の業態を加えて海外の多様なニーズに応える。

協業するのはhachibei crew(ハチベイクルー、福岡県糸島市)とミシュラン掲載店を運営するAO(大阪府八尾市)。

ハチベイクルーは「焼とりの八兵衛」などを福岡県を中心に国内のほか、米ハワイやフィリピンなどで13店舗展開している。カウンターにネタを並べ、鶏肉のほか、豚バラなど串焼き全般を提供する博多式のスタイルが特徴で、客単価4000〜6000円の中価格帯で展開する。エターナルは近く同社へ出資し、資本業務提携する予定だ。両社は国内外で「焼とりの八兵衛」の出店を進め、人材確保の面でも協力する。

AOはミシュラン一つ星を6年連続で獲得している高価格帯の「焼鳥 市松」を運営している。客単価は約1万5000円と高価格帯に位置付けられる。エターナルとAOは海外向けに高価格帯の焼鳥店の業態を共同で新規開発する。まず、アジア圏で1店舗目を開き、中長期的には北米や欧州も含め10〜20カ国への出店を目指す。

エターナル主力の「鳥貴族」は客単価が2000〜2500円と低価格が強みだ。協業により、国や地域・立地ごとのニーズに合わせた出店をしやすくする。

エターナルは1日、海外展開を本格化させるため、社名を鳥貴族ホールディングスからエターナルホスピタリティグループに変更した。同日、米ロサンゼルスの焼鳥店を買収し、初の海外出店を果たしたほか、台湾や香港、韓国でも合弁会社や子会社設立などで出店の準備を進めている。

大倉忠司社長は15日に開いた記者会見で「いずれは国内よりも海外事業の売り上げ規模を大きくしたい。様々なパートナーと日本の焼き鳥の文化、価値を世界に広げていく」と意気込みを語った。

【関連記事】

  • ・鳥貴族HDが社名変更 消える屋号、第2創業へにじむ決意
  • ・やきとり大吉・近藤社長「27年に100店増の600店へ」

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。