三菱ケミカルグループは繊維での認証不備を発表した

三菱ケミカルグループは15日、連結子会社の三菱ケミカルが製造・販売する繊維で認証の不備があったと発表した。婦人服などに使われる繊維製品で、毎年更新が必要な服の安全性に関わる認証の申請を怠っていた。取引額の規模を踏まえ現時点で業績への影響は軽微とするが、同じ製品の他の認証でも同様に申請を怠っている可能性があり調査を進める。

対象となるのは富山事業所(富山市)で生産し、光沢があるのが特徴のトリアセテート繊維「ソアロン」の生地。比較的価格帯が高い婦人服向けで使われている。年に1回、素材の成分分析試験を実施して認証を更新する必要があるが、担当者1人が試験や申請をせず、認定が下りていない状態で販売していた。

顧客向けには虚偽の認証書を渡して販売を続けており、社内での引き継ぎ作業がきっかけで判明した。15日開いた決算記者会見で三菱ケミカルGの筑本学社長は「迷惑と心配をかけ深くおわびする。再発防止に全力で取り組む」と述べた。

認証の空白期間は出荷先地域により異なり、中東向けで2022年6月以降、その他の地域向けで23年6月以降となっている。三菱ケミカルは19年の認証取得以降、原料や製造方法は変更しておらず、品質と安全性については問題ないと説明している。

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