住友化学は15日、2025年3月期連結純損益(国際会計基準)が200億円の黒字に転換するとの見通しを発表した。24年3月期は3118億円の純損失で、過去最大の赤字だった。不振の上場医薬子会社住友ファーマや石油化学事業に関し、大規模リストラを含むコスト構造改革を実施。損失に歯止めをかけるとともに事業売却や組織再編などを進め、収益のV字回復を目指す。

24年3月期には医薬品と石油化学を中心に約2690億円の減損損失を計上した。今期は国内外で従業員の約1割に相当する4000人を削減するほか、主力の抗精神病薬の売り上げ減で苦境が続く住友ファーマでは販売管理費と研究開発費を計1000億円以上減らし、止血を図る。中国の景気減速などを受けて業績が悪化する石化事業は事業再編へ向けた検討を進める。

決算記者会見で、佐々木啓吾常務執行役員は「4~6月期以降、期が進むにつれ業績が回復していく」との見通しを示した。

オンライン決算記者会見で説明する住友化学の佐々木啓吾常務執行役員=15日午後

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