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国連 衛星センター“ガザ地区 全体の建物の35%が被害”と分析
“ガザ地区南部の部隊撤収は 今後の作戦に備えるため”
ラファで避難生活を送る人たちからは不安の声
“戦闘休止交渉が7日にカイロで行われる” イスラエルメディア
専門家 アメリカからの働きかけが影響したか
イスラエルのガラント国防相は、7日、「ラファを含む今後の作戦に備えるためだ」と述べ、ハンユニスに展開する部隊を撤収させたことを明らかにしました。ガザ地区の最も南にあるラファでの地上作戦の準備を進めるためだとしています。一方、今回の撤収について、アメリカ・ホワイトハウスのカービー大統領補佐官は7日、ABCテレビのインタビューで「イスラエル側の発表から、これは4か月にわたって現地に配置されていた部隊の休息や再装備のためだと理解している」と述べました。また、カービー補佐官はCBSテレビの番組で「休息と再装備のあとこれらの部隊が何をするのか語ることはできないが、アメリカがラファでの大規模な地上作戦を支持しないことに変わりはない」と述べました。ガザ地区では7日も複数の場所でイスラエル軍による空爆があり、6人が死亡したと地元メディアが伝えていて、現地の保健当局は7日、これまでに3万3175人が死亡したと発表し、犠牲者が増え続けています。
これについて、ラファで避難生活を送る人たちからは、不安の声が聞かれました。このうち65歳の男性は、「イスラエル軍はラファへの新たな作戦を準備しているのかも知れない。本当にこの戦争を終わらせて欲しい」と訴えていました。またガザ地区の北部から避難してきている女性は、「本当に心配です。彼らはラファへの地上作戦を入念に準備しているのです」と話していました。
イスラエルのメディアなどは、戦闘休止と人質の解放をめぐる交渉が7日、エジプトの首都カイロで行われると伝えました。ハマスは7日、代表団がカイロに到着したことを認める声明を出しています。ハマス側は、エジプトの総合情報庁の長官と会談したことを明らかにした上で、ガザ地区で拘束している人質と引き換えにパレスチナ人の囚人の解放を実現する交渉の締結などに向け熱意を表明したとしています。難航してきた戦闘休止に向けた交渉が今回まとまるのか、焦点となります。
イスラエルとパレスチナの紛争に詳しいヘブライ大学トルーマン平和研究所のロニ・シャケッド氏は7日、NHKのオンラインインタビューに応じました。このなかでイスラエル軍がガザ地区南部のハンユニスから部隊を撤収させたことについて「ここ最近、アメリカのイスラエルへの圧力はますます強まっている。ラファへの地上作戦を行えばアメリカの支持を失うだろう。イスラエルとしては孤立を避けるのが最も重要だ」と述べて、アメリカからの働きかけが影響したのではないかとの見方を示しました。その上で、部隊を撤収させた後は、事前の情報に基づいた標的を絞った作戦に移行するという見方を示しました。また今回の撤収によってガザ地区の住民への支援がより容易になるだろうとの見方を示した上で「ガザ地区から部隊が撤収することで、人質解放のための交渉がよりしやすくなるだろう」と期待を示しました。一方で、シャケッド氏は「ネタニヤフ首相の考えていることは分からない。最終的には住民を避難させ、ハマスの壊滅を目指してラファへの地上作戦を承認するかも知れない」と述べました。
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