イスラエル軍は、17日にかけてもガザ地区でイスラム組織ハマスへの攻撃を続けていて、パレスチナの地元メディアは、南部ラファなどへの空爆で少なくとも3人が死亡したと伝えています。

UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関は、これまでに推計で63万人以上がラファからの避難を強いられたとしています。

国連によりますと、イスラエル軍がラファでの軍事作戦を開始してから、ラファ検問所は閉鎖され、同じ南部にあるケレム・シャローム検問所からの人道支援物資の搬入も滞っているということです。

こうしたなか、アメリカ中央軍は17日、ガザ地区の海岸に設置した浮き桟橋から、複数の国や団体が寄付した人道支援物資の搬入が始まったと発表しました。

アメリカ国防総省などによりますと、支援物資は地中海のキプロスに集められ、イスラエル側の検査を受けたあと、大型船でおよそ15時間かけてガザ地区沖合の浮き桟橋に運ばれ、小型船に積み替えられます。

そして、海岸とつながる長さ数百メートルの別の浮き桟橋に運ばれ、荷降ろしされたあと、トラックでガザ地区北部に運び込まれるということで、当面は一日にトラックおよそ90台分、将来は150台分の物資を搬入できるとしています。

ただ国連などは、一日に500台以上のトラックが入る必要があるとした上で、海上の天候などの制約を受ける浮き桟橋は人道状況を改善させる決定打にはならず、ラファ検問所をはじめとする陸路での搬入が不可欠だとしています。

イスラエル側は、5月に新たに設けたガザ地区北部の西エレズ検問所などから物資は入っていると主張しているほか、ラファ検問所の開放をエジプト側に求めているとしていますが、エジプト政府は現地の安全が確保できないとして、ラファへの攻撃停止を要求していると伝えられています。

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