ウクライナ南部の少数民族、クリミア・タタール人は、1944年5月18日から、当時のソビエトのスターリン政権によって、民族ごと中央アジアに強制移住させられました。
18日で強制移住が始まって80年となるのにあわせて、首都キーウで「クリミアのために」と名付けられた展示会が始まり、17日、報道陣に公開されました。
タシェバ・ウクライナ大統領常駐代表は「この展示会は一時期ではなく、数世紀にわたる痛みを伝えるものだ」とあいさつしました。
会場には、クリミア・タタール人の画家が苦難の歴史を描いた絵画やイラストのほか、19世紀に使われていた服や帽子、食器なども展示されています。
タタール人の中には、ソビエト崩壊前後にクリミアに戻った人も多くいます。
しかし、10年前にロシアがクリミアを一方的に併合したあと、再び抑圧され、さらにおととし始まった軍事侵攻を受けて、ロシア軍に徴兵されるおそれが強まり、再び離れざるをえなくなった人も多いといいます。
展示会は6月26日まで開かれ、主催者は悲劇の歴史を広く伝えていきたいとしています。
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