◆日本人ダム技師の慰霊祭に毎年出席
頼氏が日本とのつながりを重視する象徴となっているのが、台湾南部・台南市の烏山頭(うさんとう)ダムのほとりにある金沢市出身の技師、八田與一(よいち)(1886~1942年)の銅像だ。頼氏は台南市長当時から毎年5月8日の慰霊祭に出席してきた。 当選後の今年も出席して献花した。総統府によると、頼氏は「農業や工業からインド太平洋地域の平和と安定にいたるまで、台日は数十年も成果を積み重ねてきた」と述べ、総統就任後は「あらゆる面で台日の協力強化を期待する」と強調。「台湾有事は日本有事だ」とも語った。17日、台南市の八田與一の銅像前で、頼清徳氏との関わりを語る徐金錫さん=石井宏樹撮影
八田は日本統治時代に台湾に渡り、上水道などの整備に従事。1930年に烏山頭ダムを完成させた。銅像を管理してきた地元水利会で長年会長を務めた徐金錫(じょきんしゃく)さん(88)は「農業だけでなく工業用水にも使われ、台湾への貢献は計り知れない」と功績を語る。 2017年には日本との関係に不満を持つ元台北市議が銅像の首を切断した。「台南市長だった頼氏は修復に関心を持って対応」(徐さん)。台湾メディアによると、頼氏は警察に積極捜査を要請したほか、文化部門に調査と修復を要請し1カ月以内に修復された。 台湾外交部(外務省)によると、20日の就任式には51の国・地域の代表団が参加し、パラグアイなど8カ国首脳が出席する。日本からは超党派の「日華議員懇談会」(古屋圭司会長)の議員が出席し、頼氏との昼食会などを予定している。 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。