中国人漁業者が生け捕りにして縛った海亀=2019年2月、南シナ海のスカボロー礁(フィリピン沿岸警備隊提供・共同)
【マニラ共同】フィリピン沿岸警備隊のタリエラ報道官は20日、記者会見し、自国の排他的経済水域(EEZ)にありながら中国が実効支配する南シナ海のスカボロー礁で、中国漁船が大シャコ貝を乱獲し根絶させたとして非難した。会見に同席した国家安全保障会議のマラヤ次長は、環境団体や国連などの国際調査で実態を明らかにすべきだと要求した。 国連海洋法条約に基づく仲裁裁判所は2016年、中国人漁業者が南シナ海で海亀や大シャコ貝を乱獲しており、中国当局は防止義務を果たしていないと指摘。また中国が同礁で伝統的漁業権を不当に妨害し、フィリピンの主権を侵害したと判断していた。 タリエラ氏は、この判断後も中国が同礁で環境破壊を続けたと批判。証拠として、巨大な大シャコ貝の貝殻が海底に多数集められたり、海亀が縛られたりしている映像を公開した。中国漁船の大シャコ貝採取は19年を最後に確認できていないとし「採り尽くされ、もう残っていない」と述べた。 大シャコ貝は標準的な大きさが1m前後。重さ200キロ近くの個体もある。
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