就任式典で手を振る(左から)蔡英文前総統、頼清徳新総統、蕭美琴新副総統=20日、台北の総統府前(共同)
頼氏は演説で、中国を名指しして「中華民国(台湾の正式名称)が存在する事実を直視してほしい」と求めた。さらに「台湾への言論での威嚇や武力による挑発を止めるように求める」と訴えた。有権者に向けては「中国の台湾併合のたくらみは消えることはない」と警戒を促した。 「一つの中国」原則を口頭で認めたとされ、中国が対話の前提とする「1992年コンセンサス(共通認識)」には触れなかった。◆与党は第2党に転落、厳しい政権運営になりそう
中国政府で台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室の報道官は20日、演説について「台湾独立の立場を堅持しており、分離主義の誤りを大々的に宣伝し、中台の対立を扇動している」と批判する談話を発表した。中国はこれまでも頼氏を、台湾独立派の「トラブルメーカー」と非難してきた。 総統選と同時に行われた立法委員(国会議員)選挙で与党・民進党は第2党に転落し、立法院で過半数を握れなかった。新政権では、政党間で意見が割れる重要課題や軍事関連の法案・予算を巡って野党との交渉が求められ、厳しい政権運営が予想される。 台北市での就任式では、副総統の蕭美琴(しょうびきん)氏(52)も就任宣誓した。総統府前広場で開かれた就任祝賀行事には、パラグアイなど国交のある友好国をはじめ、世界51の国・地域から500人超の代表団が参加。日本は超党派の日華議員懇談会(古屋圭司会長)から、過去最大規模となる31人の国会議員が出席した。 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。