南アフリカのズマ前大統領=AP

【ナイロビ=共同】南アフリカの憲法裁判所は20日、在任中の汚職疑惑を巡って1年3月の禁錮刑を受けたことを理由に、29日に実施される総選挙出馬を目指していたズマ前大統領(82)の出馬を認めない決定を下した。ズマ氏率いる新党は世論調査で一定の支持を集めており、支持者の反発が予想される。

ズマ氏は2009年に大統領に就任し、インド系富豪との癒着疑惑が浮上した。辞任後に汚職問題を調べる委員会に出席せず、21年に法廷侮辱罪で有罪判決を受けた。収監後に与党アフリカ民族会議(ANC)を離れ、復権を目指して新党「民族の槍」(MK)からの出馬を表明していた。

4月下旬に行われた民間の世論調査で、MKは支持率約8%を記録。経済低迷などで支持を失うANCが1994年の民主化以来初の過半数割れに追い込まれるとの観測が強まる中、MKの動向が焦点となっている。

選挙管理委員会は3月、1年以上の禁錮刑を受けたことがある場合に議員資格を認めないとする憲法規定を理由に、ズマ氏の立候補を認めなかった。ズマ氏側はこれを不服とし、法廷闘争になっていた。

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