「AIサミット」は、韓国が「AI安全サミット」を去年開いたイギリスとともに主催し、各国の首脳やAI関連企業の代表なども参加して、オンライン形式で開かれました。

会議の中で、韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領は、「AIの影響力が大きくなり、ディープフェイクやデジタル格差など、副作用に対する懸念も高まっている。悪影響を最小限に抑え、社会の安定や民主主義が毀損されないよう、AIの安全性を確保しなければならない」と述べました。

会議ではAIの安全な活用やガバナンスのあり方などについて議論が行われ、「ソウル宣言」が採択されました。

この中で最先端のAIを開発する企業には特別な責任があると明記したほか、AIの活用により世界的に難しい課題を解決し、先進国、途上国にかかわらず誰でもAIの恩恵を受けられるよう、デジタル格差の解消に向けた国際協力を強化していくことなどが盛り込まれました。

AI企業16社“安全な開発に責任を”

イギリス政府は、21日の「AIサミット」で世界各国の主要なAI企業がAIの安全な開発に責任を持って取り組むことなどに合意したと発表しました。

合意したのは▽アメリカのアマゾンやグーグル、IBM、メタ、マイクロソフト、オープンAIなどに加え、▽韓国のサムスン電子、▽中国、▽カナダ、▽フランス、▽アラブ首長国連邦の6か国の合わせて16社です。

この中で各企業は最先端のAIが悪用されたり制御できなくなったりするリスクについて開発段階から検証し、リスクを十分に抑えられない場合は製品の開発や展開を取りやめるとしています。

その上で企業側はAIの安全を実現するため、各国政府を含む外部に対し適切な透明性を保つなどとしています。

合意について、イギリスのスナク首相は「これほど多くの主要なAI企業が、AIの安全性に向けた取り組みに同意するのは世界で初めてのことだ」と、その意義を強調しています。

岸田首相「国際ガバナンスの形成 急務」

岸田総理大臣は、サミットの首脳セッションにビデオメッセージを寄せ、「AIで得られる革新的な機会を最大化するには偽情報などのリスクを軽減し、『安全、安心で信頼できるAI』を実現するための国際ガバナンスの形成が急務だ。幅広い事業者がリスクに応じてAIを活用できるよう後押しするとともに、AIの安全性評価についても国際的なパートナーと緊密に連携し、相互運用が可能な評価手法の確立に取り組みたい」と述べました。

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