中国政府で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の陳斌華報道官は、21日夜、談話を発表し、20日の頼清徳総統の就任演説について「敵意と挑発、うそと偽りに満ちており、徹頭徹尾、『台湾独立の自白』だ」と非難しました。

そのうえで、頼総統が「中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しない」などと述べ「台湾は中国の一部だ」とする中国の主張を否定したことについて「『二国論』を売りにし、主張がさらに過激になった」としています。

さらに、頼総統が中国に対し「まずは相互の対等な観光往来と学生の台湾での就学の再開から始め、ともに平和と繁栄を追求することができる」と訴えたことについても、陳報道官は「事情を知らない一部の人に両岸関係を改善する善意があると誤解させた」と述べ、受け入れない考えを示唆しました。

今回の談話で言及された「二国論」は、1999年に当時の李登輝総統が打ち出した主張で、中国と台湾は「特殊な国と国との関係だ」としていることから、中国は一貫して拒否する立場です。

演説をうけて、中国の王毅外相が頼総統を名指しで非難するなど、頼氏に対する姿勢は一段と厳しくなっており、圧力が一層強まるものとみられます。

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