アリート氏は最高裁で最も保守寄りの判事の1人だ=ロイター

【ワシントン=芦塚智子】米連邦最高裁の保守派アリート判事の自宅や別荘に、トランプ前大統領の支持者らが2021年の議会占拠事件で使った旗が掲げられていたことが分かった。米紙ニューヨーク・タイムズが報じた。

最高裁は7月初めまでに同事件への関与を巡ってトランプ氏の免責を認めるかどうかの判断を下す。民主党の下院議員45人は旗の掲揚が政治的偏向や利益相反の印象を与えるとして、同判事に審理から外れるよう求める書簡を送った。

17日付のニューヨーク・タイムズによると、21年1月の議会占拠事件後に、南部バージニア州のアリート氏の自宅で米国旗が上下逆さまに掲揚されていた。逆さまの国旗は抗議の意を示すことが多く、20年の大統領選でトランプ氏が敗北した結果を認めない支持者らが使い、議会占拠事件でも見られた。

アリート氏は同紙に対し、旗は妻が隣人に抗議するために掲げたものとして関与を否定した。

さらに23日付の同紙は、東部ニュージャージー州にあるアリート氏の別荘に23年、松の木と「天に乞う(Appeal to Heaven)」の文言が書かれた旗が掲げられていたと報じた。同紙によるとこの旗は独立戦争が起源で、トランプ氏の支持者が議会占拠事件で使っていた。

9人で構成する最高裁は保守派6人、リベラル派3人と保守に傾いている。保守派のトーマス判事も妻のジニさんが議会占拠事件時にトランプ氏支持のデモに参加し、同氏の側近と連絡を取っていたことで批判を受けている。

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