旧ジャニーズ事務所の前社長による性加害問題の実態について調査を行っている国連人権理事会の作業部会は、「依然として深い憂慮を抱いている」などとする報告書を公表した。

国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会の専門家は、2023年7月に来日し、被害者の元タレントや事務所の関係者などから聞き取り調査を行ったのを受けて、28日、提言をまとめた報告書を公表した。

この中で、前社長・ジャニー喜多川氏による性加害問題について「数百人のタレントをめぐる性的搾取と虐待の疑惑に依然として深い憂慮を抱いている」との見方を示した。

また、社名変更した「SMILE-UP.」社がこれまで行ってきた被害者への対応について「努力を認める」とする一方で、補償を求める被害者の弁護士費用を自己負担させていることについて「容認できない」と問題視するなど、「救済を求める被害者のニーズを満たすにはまだ遠い」と批判した。

一方、日本のメディアについては「何十年もの間、このようなスキャンダルの隠蔽(いんぺい)に関与してきた」と指摘した。

報告書は、6月下旬に国連人権理事会に提出される予定。

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