【北京=時事】中国の馬朝旭外務次官は15日、訪中したクリテンブリンク米国務次官補(東アジア・太平洋担当)と会談した。中国外務省によると、両氏は、米中間の意思疎通の維持と関係安定化で合意。一方で馬氏は、米国のアジア太平洋地域における日本やフィリピンとの安全保障協力強化をけん制した。
馬氏は11日にワシントンで行われた日米比首脳会談を念頭に、バイデン米政権が「中国に対する誤った言動」を取り、南シナ海情勢を混乱させていると主張。さらに台湾問題は「中国の内政」だと改めて強調し、台湾への武器売却を続ける米国にくぎを刺した。
会談では、中東情勢やロシアが侵攻を続けるウクライナ情勢も議題となった。イランによるイスラエル攻撃への対処についても話し合った可能性がある。米国家安全保障会議(NSC)のベラン上級部長(中国・台湾担当)も同席した。
米中は長期対立を見据えつつも意思疎通を維持する方針で一致しており、閣僚級対話を続けている。近くブリンケン米国務長官の訪中も計画されており、今回のクリテンブリンク氏らの訪問で調整が行われたとみられる。
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