鳥取市の鳥取砂丘にある月の表面の地形などを再現した実験施設で、大手メーカーが開発している「月面探査車用タイヤ」の走行試験が初めて公開されました。
砂の上をゆっくり走る車。装着されているのは、月面探査車用のタイヤです。大手タイヤメーカーのブリヂストンが開発に取り組んでいます。鳥取市の鳥取砂丘にある月面実証フィールド「ルナテラス」で30日、走行試験の様子が公開されました。
月の表面の起伏などを再現した砂地を使って、タイヤにかかる負荷などが測定されました。現在テストが行われているのは、ブリヂストンが2019年から開発を進めている月面探査車用のタイヤで、荷重がかかるとタイヤがたわんで接地面積が広がる仕組みになっているということです。
ブリヂストンは、2023年7月にオープンしたルナテラスで走行試験を行い、そこで得られた耐久性能や駆動力などのデータを改良に生かしています。特に、タイヤが地面に接する部分の面積を大きくして摩擦力を向上させ、細かい砂に覆われる月面でも沈み込みにくい形状に進化させるなど、砂丘でのテストの成果が開発に生かされているということです。
ブリヂストン・弓井慶太タイヤ研究第一部長:
なるべく地球上で再現できる月面に近い砂上の環境で、月面想定のタイヤを昇華できるのは非常に貴重な場所。月面探査車のミッションを足元から支えることを目指して今後も開発を続けていきたい。
ルナテラスでは、オープン後の半年余りで10団体が実験などに利用したということです。アメリカ・NASAの月面探査プログラム「アルテミス計画」で重要な役割を担う月面探査車。実現を目指す歩みが、ここ鳥取砂丘で進んでいます。
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