【NQNニューヨーク=川上純平】31日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発して始まり、午前9時35分現在は前日比148ドル38セント高の3万8259ドル86セントで推移している。31日発表の4月の米個人消費支出(PCE)物価指数がおおむね市場の想定に沿った結果となった。高インフレが続くとの懸念が後退し、米長期金利が低下したことから投資家心理が改善した。
PCE物価指数の上昇率は前月比で0.3%と、3月と同水準を見込んでいた市場予想に一致した。エネルギーと食品を除くコア指数の伸びも同0.2%と市場予想通りだった。物価高が加速しなかったことを受け、米長期金利は4.50%程度に低下(前日終値は4.54%)した。株式の相対的な割高感が薄れ、主力株に買いが入った。
もっとも、ダウ平均の上値は重い。市場では、米連邦準備理事会(FRB)が利下げの準備を整えるには「インフレの鈍化と、需要が少なくとも回復していないということを示すさらなる証拠が必要だ」(CIBCキャピタル・マーケッツのアリ・ジャフェリー氏)との指摘がある。FRBの利下げが遅れるとの警戒感はくすぶっており、主力株には売りも出ている。
セールスフォースやユナイテッドヘルス・グループ、マクドナルドの上昇が目立つ。ウォルト・ディズニーも高い。半面、アマゾン・ドット・コムとマイクロソフトは下げている。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は一進一退で始まった。
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