【ニューヨーク=竹内弘文】5月31日の米株式市場でSNS(交流サイト)運営のトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(TMTG)株が一時前日比9%安の47.20ドルまで急落した。前日の取引終了後、不倫口止め料の不正処理でトランプ前米大統領に有罪評決が下った。SNS「トゥルース・ソーシャル」への影響を懸念する売りが出た。
TMTGは3月26日に特別買収目的会社(SPAC)との合併を通じて米証券取引所ナスダックに上場した。トランプ氏の人気にあやかって個人投資家のマネーが流入した一方、希薄化懸念などもあり、荒い値動きが続いている。31日の終値は49.09ドルで、上場日に付けた高値に比べて4割近く安い水準にある。
トランプ氏は2021年1月の米連邦議会議事堂への襲撃事件後、ツイッター(現X)の利用を禁じられ、SNSのトゥルース・ソーシャルを立ち上げた。同SNSを中心に支持者らへのメッセージを発信してきた。今回の有罪評決でトランプ氏の熱烈な支持者が同SNS離れを起こす可能性は低いが、伸びが鈍い広告収入が一段と低調になる可能性がある。
TMTGの最大の株主であるトランプ氏が持ち株を手放すとの観測も絶えない。有罪評決でトランプ陣営への逆風が強まるようなら、大統領選キャンペーンでの追加支出をまかなうためTMTG株売却に踏み切るとのシナリオだ。株式需給面から相場の重荷になる。
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