イランがイスラエルに向けてドローンやミサイルを発射した後にエルサレム上空で観測された物体=ロイター

【パリ=北松円香】サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)はイスラエルや米国に対し、イランから得た攻撃情報を事前に共有していたと、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが15日報じた。イランがイスラエルに向けて発射したドローン(無人機)やミサイルの効果的な迎撃につながったとみられるという。

WSJによると1日に起きたシリアのイラン大使館周辺への空爆を受け、米国が中東各国にイランの報復に関する情報共有や迎撃への協力を要請。中東の国々は当初は対立に巻き込まれることを懸念して消極的だったものの、最終的に同意したという。

サウジとUAEは機密情報の共有に同意したほか、ヨルダンは米国やその他の国の戦闘機の領空使用を許可し、迎撃も支援するとした。イランはサウジなどの湾岸諸国に対し、イスラエルへの攻撃2日前に計画を説明した。

現地報道によると、イスラエルの戦時内閣は15日、イランに対し「明確に強力に」再報復する方針を決めた。イランはイスラエルへの攻撃は「限定的」だとして幕引きを図る姿勢をみせていた。だがイスラエルが報復に踏み切れば両国の本格的な衝突に発展する恐れがある。

イスラエル軍は14日、イスラム組織ハマスとの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザでの作戦のため、予備役部隊を近く招集すると発表した。ロイター通信などが伝えた。南部ラファへの地上侵攻に備えた招集の可能性がある。

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