バイデン氏は大統領選をにらみ国境管理を厳しくする=AP

【ワシントン=芦塚智子】バイデン米大統領は4日、南部のメキシコ国境から流入する不法越境者が一定数を超えた場合、国境封鎖に近い措置を可能にする大統領令に署名する。不法移民の増加は11月の大統領選の大きな争点の一つで、共和党の攻撃をかわす狙いがある。民主党のリベラル派や人権団体からは反発が予想される。

米政権高官によると、大統領令は南部国境で1週間の不法越境者の数が1日平均2500人を超えると、難民申請を受理せず原則として入国を許可しない。1日平均1500人を下回れば受理を再開する。単独で越境した子供や人身売買の犠牲者などは例外とする。

難民の保護を定めた連邦法に違反する可能性があり、訴訟が起きるのは必至とみられている。高官は訴訟への備えはできていると強調した。トランプ前政権が2018年に同様の措置を導入した際には訴訟を受けて裁判所が施行を差し止めた。

政権高官は「我々は前政権のように移民を敵視したり、親子を引き離したりするようなことはしない。合法的な難民申請の道を拡大している」と前政権の政策との違いを強調した。

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