【NQNニューヨーク=川上純平】4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比140ドル26セント高の3万8711ドル29セント(速報値)で終えた。4日発表の雇用指標が労働需給の緩和を示した。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ時期が遅れるとの懸念が後退し、主力株に買いが入った。

4日発表の4月の米雇用動態調査(JOLTS)では非農業部門の求人件数が805万9000件と前月から減少し、2021年2月以来の低水準となった。市場では「賃金がインフレの逆風を引き起こす可能性は低い」(LPLファイナンシャルのジェフリー・ローチ氏)との受け止めが広がった。労働市場の過熱感が薄れ、FRBが利下げしやすくなるとの観測を誘った。

4日の米債券市場で長期金利は4.3%台前半に低下(前日終値は4.40%)した。金利と比べた株式の相対的な割高感が薄れたのも米株相場を押し上げた。

ダウ平均は下げて推移する場面もあった。このところ米経済の減速を示す指標の発表が相次いでいた。景気の先行きへの不安が投資家心理の重荷となった面がある。原油など資源価格の下落で、資源・素材関連の銘柄にも売りが出ていた。

ダウ平均の構成銘柄では、ボーイングやシスコシステムズ、コカ・コーラは上昇した。アナリストが目標株価を引き上げたハネウェル・インターナショナルも買われた。半面、JPモルガン・チェースとスリーエムの下げが目立った。シェブロンとキャタピラーも安かった。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、前日比28.377ポイント高の1万6857.047(速報値)で終えた。

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