【ワシントン=赤木俊介】バイデン米大統領の次男ハンター氏は4日、銃を不法に購入・所持したとされる事件の公判に出廷した。現職大統領の子供が刑事裁判の被告人となるのは初めてだ。検察側は冒頭陳述で「法を超越する人はいない。誰であろうと、名前が何であろうと関係ない」と述べた。
裁判は3日、東部デラウェア州の連邦地裁で始まった。起訴状によるとハンター氏は2018年10月に拳銃を購入する際、薬物を使用していないと虚偽の申告をし、銃を不法に所持した疑いがある。計3つの重罪に問われており、陪審員が有罪評決を下せば最大で禁錮25年、75万ドル(約1億1600万円)の罰金が科される。
裁判ではハンター氏が銃を購入・所持した期間と、薬物使用の時期が重なっていたかが焦点の一つとなる。弁護側は冒頭陳述でハンター氏が銃を所持していたのは数日間で、薬物の使用と重なっていないと主張した。
一方で、最初の証人となった米連邦捜査局(FBI)の捜査官はハンター氏が15〜19年にかけ薬物を頻繁に使用していたと証言した。
司法省のハインズ検察官は陪審員に対し「(ハンター氏は)薬物所持の罪で起訴されたわけではない」と説明。重要なのは薬物への依存そのものではなく、虚偽の申告をしたうえで銃を不正に購入、所持した本人の判断だと強調した。
ハンター氏は今回の裁判とは別に、税務不正の疑いでも起訴されている。3つの重罪、6つの微罪に問われており、大統領選から約2カ月前の9月に西部カリフォルニア州の連邦地裁で裁判が始まる予定だ。
5月30日には不倫口止め料の不正処理を巡る裁判でトランプ氏が有罪評決を受けており、量刑の言い渡しを7月11日に控える。民主・共和両党はそれぞれの裁判を選挙戦の攻撃材料として利用するとみられる。
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