ニューヨークのウォール街=ロイター

【NQNニューヨーク=川上純平】5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時35分現在は前日比44ドル94セント高の3万8756ドル23セントで推移している。5日発表の雇用指標が労働需給の緩和を示した。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ時期が遅れるとの懸念が薄れ、主力株に買いが先行した。

5日発表の5月のADP全米雇用リポートでは、非農業部門の雇用者数が前月に比べ15万2000人増えた。伸びは4月(改定値)の18万8000人から縮小し、ダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(17万5000人)を下回った。4日発表の4月の米雇用動態調査(JOLTS)に続いて労働市場の過熱感が薄れていることを示した。インフレ圧力が和らぎ、FRBが利下げに動きやすくなるとの観測が広がった。

主力株への買いが一巡した後、ダウ平均は上げ幅を縮め、下落に転じた。このところ米経済の減速を示す指標が相次いでいる。景気が市場の想定以上に冷え込むとの懸念は根強く、消費関連株の一部に売りが出ている。

ゴールドマン・サックスやキャタピラー、スリーエムが上昇している。半面、ウォルト・ディズニーとボーイングには売りが出ている。マクドナルドとナイキも安い。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は3日続伸して始まった。エヌビディアやアプライドマテリアルズといった半導体関連株の上昇が目立つ。

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