7月26日に開幕するパリ五輪まで6日であと50日に迫った。エッフェル塔やコンコルド広場などパリ市内の観光名所では仮設会場の準備が進む。最大の課題である安全対策では、治安部隊を大幅に増員して警戒に当たるが、テロの不安や偽情報による混乱の懸念は残る。
5月下旬、皇帝ナポレオンが眠るパリ中心部のアンバリッド(廃兵院)前を訪れると、通行を封鎖するフェンスの向こうにほぼ完成した観客席が見えた。仮設会場建設は佳境を迎え、街は「五輪モード」に入っている。
今回の五輪では、安全対策が最大の課題だ。史上初めて競技場外で開催される開会式では、政府が4万5千人の警察官の動員を決めた。
しかし、テロの不安は残る。5月末には、五輪期間にサッカー会場で観客らの襲撃を計画したとして、イスラム過激主義に傾倒したとみられるチェチェン出身の18歳の男が逮捕された。
エッフェル塔近くでは1日、「ウクライナのフランス兵」と記された五つの棺おけが見つかった。仏メディアによると、政府は世論の不安をあおるため、ウクライナ支援を続けるフランスを狙ったロシアによる情報工作の疑いがあるとみているという。(パリ=宋光祐)
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