ロシアのプーチン大統領は5日、米欧日など各国の通信社代表と会見した。「米欧はなぜかロシアが核兵器を使わないと考えている。主権と領土の保全が脅かされれば、あらゆる手段を使うことが可能だ」と述べ、自国が提供した兵器でのロシア領への攻撃を相次いでウクライナに認めた米欧諸国を牽制(けんせい)した。

 ロシア・サンクトペテルブルクで会見した。

 ウクライナが米欧の提供兵器でロシア領を攻撃すれば「ロシアとの戦争への直接参加」であり、「国際的な安全保障を損なう」と批判。米欧の軍事施設へ報復攻撃などを検討する考えを示した。

 ウクライナ侵攻直後、米欧はロシアとの対立激化を警戒し、提供兵器でのロシア領攻撃を自制するようにウクライナに求めた。だが、最近のロシア軍の攻勢で市民の犠牲が増加。ロシア領内のミサイル発射拠点などに、米欧の提供兵器で反撃すべきだとの声の強まりを受け、米国などが方針転換しつつある。プーチン氏の発言は、これらの供給拡大を阻止する狙いがあるとみられる。

 一方、ウクライナ侵攻後に中断した日ロの平和条約交渉については「いまは対話を継続する状況になく、日本側が条件を整える必要がある」と述べ、米欧とともにロシアを批判する日本側に責任があると強調した。

 プーチン氏は今年1月、ロシアが実効支配する北方領土への初訪問に意欲を示したが、この日は「訪問しない理由はない」としながらも、「いまは計画はない」と述べるにとどめた。

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