【ソウル=上野実輝彦】韓国の脱北者団体「自由北韓運動連合」は6日未明、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記を批判するビラ20万枚などを大型の風船10個に付け、南北軍事境界線に近い京畿道抱川(キョンギド・ポチョン)から北朝鮮に向けて飛ばしたと発表した。北朝鮮が反発し、再び「汚物風船」を韓国に飛ばすなど緊張が高まる可能性がある。

6日未明、「自由北韓運動連合」が金正恩政権の体制批判ビラを北朝鮮に向けて飛ばした(同団体提供)

◆謝罪しない限り、ビラを送り続ける方針

 同団体によると、風船に付けたのは韓国ドラマ「冬のソナタ」やK-POPなどを保存したUSBメモリー5000個や、1ドル紙幣2000枚。団体は、北朝鮮がごみをぶら下げた風船を韓国に飛ばしたことを批判し、正恩氏が謝罪しない限り、ビラを送り続ける方針。  韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は6日、国を守るために亡くなった人らを追悼する行事で、「汚物風船」について「最近はまともな国なら恥じるような卑劣な挑発まで強行した。政府は威嚇を決して座視しない」と批判した。

◆北は威嚇「100倍の紙くずや汚物を再び送る」

6日未明、金正恩政権の体制批判ビラを北朝鮮に向けて飛ばす「自由北韓運動連合」のメンバーら(同団体提供)

 北朝鮮の国防次官は約3500個の風船に計15トンのごみを付けて、先月末以降に韓国に飛ばしたと発表。一時中断したものの、韓国側がビラ散布を始めれば「100倍の紙くずや汚物を再び送る」と威嚇している。韓国は対抗措置として、南北軍事合意の効力停止を発表した。 

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